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 「旅は何時になると終わるのだろうか」

序章   (四人の男女と獣に係わった人たち)
晴天の空に輝く太陽は、街道を進む人々に、適度の温かさと明かりを与えようと輝いている。何故か、その太陽を好んで避けているとしか思えない人々がいた。それだけでなく、人からも避けているとしか思えなかった。耳を澄ませば、人の話し声が聞こえる距離に街道があるのに、何故なのか、道なき道を歩いているのだ。もしかすると、その理由は、男女の会話を聞けば分かるかもしれない。
「ねね、新(しん)。この方向で合っていると思う?」
「でも、二人が、この方向だって言うのだし嘘では無いだろう?」
「でもねぇ」
 二人の会話が聞こえたのだろうか、先頭を歩いていた。男女の一人が振り返った。
「あの鳥かも知れないわ」
「え、またなのかぁ」
 新は、心底から嫌気を表した。
「だって、鳥を助けろ。そう頭に響くのですもの」
と、雪(ゆき)は、声を上げた。だが、頭に響く内容とは違っていた。
(危険、危険です。方向が違います。早く正しい方向に進んでください)
 もし人なら発狂寸前の叫びなのだ。だが、雪は気が付かないでいる。人の声と違って頭に響く感じは穏やかな感じなのか、そう思うだろうが違うのだ。可なりの頭痛を感じるはず、酷い場合は失神する程なのだ。なら何故、普通のような状態で居られるのか、それは、痛みを忘れる程の想いがある為に我慢が出きるのだろう。それは、晶(あきら)の想いがあるからだ。
(違う方向です。北東に向かってください。危険、違う方向です。危険です。このままでは修正ができなくなる場合があります。方向を変更してください)
 赤い感覚器官は、赤い糸とも言われ、連れ合いが居る方向を示すが、それだけではなかった。結ばれる為に試練を与えるのだった。その理由は、自分たちも分からなかった。感覚器官は、問い掛けに答えるはずもなく。指示だけを、頭に響くように伝えるだけなのだ。だが、その修正をするのが、新と明菜(あきな)だった為に愚痴を呟いていたのだ。
「仕方ないでしょう。赤い糸が助けろと言うのよ。うっう」
 晶と雪が突然に顔の表情を歪めた。頭痛を感じたのだろうが、我慢ができなくなり。悲鳴を上げると、頭を抱え、その場に座り込んでしまった。
「晶。雪さん。どうした?」
「何でもないの。早く修正するように頭に響いただけよ」
「分かったよ。鷹から鳩を守るのだな。明菜も手伝ってくれよ」
「仕方ないわね」
 この様に、二人の苦しそうな表情を見ると、助けたくなるのは、人として当然だろう。
「晶さん。そうよね」
「うん、そう聞こえるよ。でも、今は痛みが消えたから大丈夫だよ。今度は、晶だけで修正するから安心して見ていて」
「・・・・・・・・。嫌、駄目だ。俺と明菜で修正するから見ていてくれ」
 新は、晶の「安心して」の言葉を聞き、一瞬の間だが、過去の事を思いだしたのだ。修正しようとすると、自分が言った話しと違う事をするのだ。例えの例を挙げるのならば、魚を捕まえると言ったのに、何を考えての行動なのか熊と格闘した時もあったのだ。それで、二人に任せると、新、明菜たちの傷が増えるのだ。酷い場合には命の危険を感じた事もあった。だが、この様な事になるのは仕方なかったのだ。違う方向に進み、指示と違う事をするので、地球の意思か、時の流れの意思か、嫌、その両方だろう。晶と雪が行動すれば、修正の手助けをしようと周囲が反応するのだ。本来の修正する状態に導き、殺生する物などを招くのだった。
「でも、晶の修正なのに悪いよ」
「何も気にしないで見ていてくれ。後ろで見守ってくれるだけで勇気が出るからなぁ」
「分かった」
 その言葉を聞くと、新と明菜は、直ぐに行動を起こし、勿論、直ぐに鳥を捕まえてきた。
「ただいま。捕まえてきたよ」
 明菜は満面の笑みを浮かべ、昌と雪の所に戻ってきた。その様子を見て、雪、晶は驚きの声を上げた。
「手際がいいわね。本当に凄いわ」
「凄い」
 新は、捕まえた鳥を二人に見える目線まで上げながら近寄ってきた。
「それで、この鷹を食べれば良いのだろう」
「そうよ」
「うん、うん」
「でも、何時も思うのだが、成仏させるだけなら食さなくても?」
「駄目。殺生は、身を守る時と、食す時だけだよ」
「そうだな。変な事を聞いて済まなかった。だが、鷹だぞ。食えるのか?」
「修正してくれて本当にありがとう。なら、早く食べましょう」
 そして、四人は、夕食には早い時間だが、休憩のような気分で食べながら楽しい会話を始めた。それから、話しも尽きようとした頃に、新が、話題を挙げた。
「それで、今度は、どの方向に進むのだ」
「あっ、北よ。そうよね。晶さん?」
 雪は左手を、腕時計を見るように上げ、小指の赤い感覚器官が示す方向を見ると、新一に伝えた。だが、赤い感覚器官の示す方向は南に示していた。と、言うよりも常に、晶の方向を指すのだった。
「えっ、なに、雪さん?」
 晶は、飲み物のお替りを作ろうと、歩き回っていたのだ。勿論、その間も、雪の赤い感覚器官は、晶を指し続けた。
「雪が、晶の赤い糸の方向は、どの方向を指しているのか聞いたのよ。確か、南の方向と言ったのよね。そうよね。雪さん?」
 明菜は、今までの疑問を感じていたので、嘘を言って試した。
「そうそう、南よ。晶さんの赤い糸の導きの方向は、どの方向なのでしょう?」
「あっ、南だよ。同じだね。だから方向が同じだから一緒に行動ができるね」
二人は動揺していた。もし、本当の事なら確認の為に、二人の左手の小指にある赤い感覚器官の方向を確かめるはずだ。それをしないと言う事は嘘を伝えたのだろうか。
「ねえ、雪さんの方向は同じなの?」
 明菜が不審そうに問い掛けた。
「微妙に違うけど、南の方向よ」
「そうなの、でも、先ほどは、雪は、北の方向を指しているって言ったのよ」
「明菜、いい加減にしないか、俺と、明菜には無いから確かめたいのは分かるが、嘘を付くはずが無いだろう。自分の運命の相手を探す旅なのだぞ。嘘を付いて違う方向を探すはずもないだろう。それにだ。木なら動かないが人なのだぞ。常に動くのだ。少々方向が変わっても変でないだろう。
「そうね。ごめんなさい」
 晶、雪は、新の話を静かに聞き、そして、自分の赤い感覚器官を暫く見ていたが、突然に顔を上げたと思ったら、晶は、雪を、雪は晶を見詰めていた。それは、赤い感覚器官の方向を見たのか、赤い感覚器官を持つ者を心配したのか、それは、分からなかった。だが、この様に、赤い感覚器官の導きの方向を、此れからも嘘を言い続けるのなら、旅は何時になっても終わる事は無いだろう。
 
 


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自己紹介:
物語を書いて五年になりましたが、私は「左手の赤い感覚器官(赤い糸)と「蜉蝣(カゲロウ)の羽(背中にある(羽衣)の 夢の物語が完成するまで書き続ける気持ちです。
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