物語の前に。。。。
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harahara7892000@yahoo.co.jp
最後に、ネット小説ランキングに投票してくれれば、私は頑張れると思います。
もう一言。
主人公の輪は、月の住人だ。月人は、背中に蜉蝣のような羽を持ち、左手の小指に赤い感覚器官があった。背中の羽で、他世界、過去、未来を飛び、赤い感覚器官で、連れ合いを探す為の導きを示す。輪は、連れ合いを探し出す事できるか?。そして、連れ合いと共に月に帰る事ができるか?
それでは、物語が始まります。
早く月に帰りたい
第一章
老婆が一人椅子に腰掛けていた。
その椅子は老婆の専用の物だろう。背もたれが付き、肘掛は扇状に作られ、小さなテーブルで、椅子の高さは踵が着くか付かないかになっていた。その椅子は特種の椅子に見える。全体の様子から既製品を加工した物ではない。椅子には素人の雰囲気が感じられたが、多分この椅子は、老婆の主人が作った物で思い出の有る椅子なのだろう。古い物だが見た目と違って、座ると壊れるとは誰も感じられないがっしりとした作りだ。
その椅子は長い間使われて、そのお蔭でますます使いやすくなった感じがした。
例を挙げれば、使っている間に少しずつ座る部分が丸く削られて、長い間座り続けても疲れは感じないだろう。一番の興味を沸くのは、左右が均等になっていない所に、誰が見ても二人の物語があり、均等に作れなかった箇所が、面白い思いが目に浮かぶ事だろう。
妻の注文通り作ったのか。それとも、妻の要求で修正が効かなくなったのかは分からないが、主人の愛情が感じられてくる。その主人の渋い顔を想像できるが、妻は、この様な会話が一番の楽しみだ。そう思う場面が、この椅子には目に浮ぶだろう。老婆の寝顔は満面の笑みを浮かべている。恐らく、その時の楽しい場面を見て寝ているのだろう。
「おばあちゃん。天使のお話をきかせて」
五歳位の男の子が、息を切らせながら走しって来る。この位の歳が学ぶ学校からでも走って来たのだろうか。老婆の前で息を切らせながら声をだした。
「天使ではないのよ。おじいさんよ」
老婆は起こされたのが不満なのかは分からないが、一言ずつ大きく話した。
「お母さんは天使様だと言ったよ」
子供は少し頬を膨らませながら話した。
「ねえ。おかあさん」
子供は大きな声で言われたので怒られたと思ったのか。台所にいる母に助けを求めた。
「また、その話ですか」
自分でも近いのは天使だと思い。そう話した。
だが、どのように答えて言いか解らず目線で母に助けを求めた。
「男の子だからでしょうか。それとも、近頃の子供はみんな物語りとしか考えないのですね。夢を見ないのかしら。私が幼い頃に聴いた時は、満月の日か、今日か、明日か、何時かは月から迎えが来ると思って、夜も眠れませんでしたわ」
少し頬を赤くさせながら話し掛けた。
「お前には話さない積もりだった」
溜め息を吐き、躊躇いながら話し出した。
「だがねえ。あの時のお前を見ていたら、若い頃のお父さんと同じに消えてしまう様な気がしてね。話をして置けば消える事は無いと思い話したが、急に色気づくし態度も変わり気持ちが悪いと思っていたが、そんな事を考えていたのか」
今の話を聞いて、若返ったよ。と言いたげに心の底から笑っている様だ。
「おかあさんが天使と言ったのはね。前におかあさんに、ご本を読んでもらった本に天使が出て来たでしょう」
老婆はこんな事が昔にもあったなと、昔を重ねて、本当に嬉しそうに感じられた。
「うっうんん。出てきた」
毎日、母に読んで貰って入るのだろう。数が多過ぎて考えて答えているようだ。
「明は大好きな人が要るかなぁ?」
孫のコロコロ変わる表情を見たい為か分からないが、少しずつ話しかけて、これ以上顔が崩れないかな。そう思う笑顔に思えた。
「いるよ。香織ちゃん」
名前を言うだけで嬉しいのだろう。笑顔で答えた。
「香織ちゃんに、明ちゃん嫌いだよ。そう言われた事あるかな」
老婆は返ってくる言葉が、解る様な笑みを浮かべていた。
「んん。言われた」
「謝って、仲良しになりたい。又、一緒に遊びたい。それで、仲なおりしたい。と思って、家に行ったりしたけど会えなかったでしょう。
だけど、知らないうちに遊んでいて、何で嫌いと言われたか忘れていたはずでしょう。
それはね。天使が忘れさせて会わせてくれたのよ。おじいさんは、天使と同じ事をしているから、おかあさんは天使と言ったのよ」
老婆は段差の違う肘掛のテーブルを撫ぜて昔を思い浮かべているのか。ポツリ、ポツリと微笑みを浮かべて、明が頷くのを待ちながら話し始めたり、止めたりをしていた。
老婆は目を瞑り。孫の為に、祖父の事をもっと詳しく話しを聞かせようと、心が昔に戻っているように感じられた。
老婆の孫は、老婆の顔の表情で話を聞く前から心が躍っていた。
孫は、老婆の目が開くのを待っている。孫が老婆の心に入る。又は、心が見える事が出来たならば、次の様に感じられた事だろう。
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