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四つの物語を載せます
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第三章
「お父さんも短気だけど、今日子も、そんな短気だと、晶さんに嫌われるわよ」
 娘が拝み終わるまで待ち、立ち上がると話を掛けた。
「うん。でも・・・」
「早く会いたいのは分かるわ。でもね。短気だと、そうねぇ。今回の事で例えるなら、お参りは両側でなくて良いのよ」
「ええ、片側だけでよかったの。ちぇ。時間を無駄にしたわ」
「だからねぇ。そうでなくて、行きは右側、帰りは左側をお参りするの」
「ああ」
「意味が分かったでしょう。少しは短気を直しなさいね」
「うん」
「時間があるから始祖様の話をするけど、でもね。普通はお参りする前に聞かせる話しなの。誰の墓なのか分からないと意味ないでしょう。手を合わせれば良いのでないの。もう、過ぎた事だから言わないけど、お父さん、本当に怒っていたわ。後で謝るのよ」
「聞かなくて良かったかも、凄く長い話を聞かされそう。でも、始祖様だけの話は聞きたいわ」
「長い話になるから良かった。まぁ、何て事を言うの。墓の前で馬鹿ねぇ。お爺さんとお祖母ちゃんに謝りなさい」
「ごめんなさい。ねね、お母さん。文献など無いって聞いたわ。何で始祖様の事が分かるの?」
「それはね。口伝なの、始祖様の真様と七人の女性の話しなのよ。まあ、夢物語だと思うわ。月に乗って地球に来たって話しなの」
「ほう、面白そうね。ねね、早く聞かせて」
(はっあー。お参りしながら説教では死んだ方がましよ。助かったわ)
「でもね。月に乗ってきたって話は信じられないけど、たぶん、私達の一族だけと思うわ。羽衣と赤い感覚器官があるのはね。恐らく、私達の先祖は、宇宙人かもね」
「ほう、それで、それで」
「あのねぇ」
と、母は、嬉しそうに娘に話を始めた。
 7500万年前の地球には衛星がなかった。今日子が居る地球とは違っていたのだ。一番の違いは、月が無い為に重力が今の十分の一しかなく遺跡などで発掘される巨大な生物の世界だった。だが、月は偶然に地球を見つけて衛星として選んだのではく、衛星として適しているか調査をされた。そして、月を永い宇宙の旅が出来るように作り変え、地球に向かったのだ。月は、ただの宇宙船ではなかった。聖書に書かれているようなノアの箱舟と同じような役目と地球を作り変える様々な用途の設備があった。それならば、月に乗っている人々は故郷が住めなくなった為に移住の目的だろう。そう思うだろうが、そうではなかった。だが、月の所有者は、旅立つと同時に、母星の国王であり、父が崩御されると、王位が欲しい為に内乱が発生する。そして、母星は住めなくなるのだが、それは、また、機会があれば話をしよう。その故郷の人々は、背中に蜉蝣が成虫したような柔らかい羽を持ち、左手の小指に赤い感覚器官があったのだ。だが、世の中には、生物にはだろうか、必ず不完全な者が存在する。障害者の事だ。それは、王族だろうが、普通の人々でも必ず生まれてしまうのだ。月を大掛かりな箱舟の様な設備に作り変えて、地球に向かう月の主(あるじ)は、勿論、王族だ。それも、一つの銀河を支配する王族の長兄として生まれたが、障害者(背中の羽と、左手の小指の赤い感覚器官が無かったが、その他は何の問題もない健康体だ。)だった為に誕生と同時に王位継承は剥奪された。それと同時に、国王は、地球に無人の調査船を送り出した。その星の科学技術で無人でも往復二十年は掛かる距離だ。国王は、その日を境に体の不調が始まった。何故だが分からないが、恐らく、世継ぎが障害者の為に、精神から来る病だろう。そして、十年の時が流れ、やっと待ちに待った。あの調査船の通信が届いたのだ。その内容は様々な不具合を知らせてきたが移住が可能だと言う結果だった。すると、長兄を、地球の領主と決めた。それだけでなく、当時、母星の衛星だった月を改造する為に、まだ幼い子を責任者と決め、完成するまで母星に降りる事を許さないと勅命を下されたのだった。それでも、まだ、救いがあった。近衛部隊の片翼の一族が補佐に付いてくれたのだ。その族長の娘とは誕生と同時の許婚だったが、何故か、障害者として誕生したのに、断るのでなく喜んで承諾したのだ。それから、月の事を、不要な者や謀反を企てる恐れのある一族の押し込め場所などと言われていた。それから、十年がまた経ち、月の主と、許婚の一族で母星に完成祝いで降りると、国王は、長兄に自分の領地に、地球に向かえと言い渡したのだった。ここまでの歴史は、今日子の一族には伝わっていない。いや、今の世では、誰も知る者はいない。だが、偽りの口伝が語り継がれていた。その話は、歴史でなく、二人の男女の話を、今日子の母は、娘に伝えようとしていたのだ。
 
最下部の四章をクリックしてください。

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自己紹介:
物語を書いて五年になりましたが、私は「左手の赤い感覚器官(赤い糸)と「蜉蝣(カゲロウ)の羽(背中にある(羽衣)の 夢の物語が完成するまで書き続ける気持ちです。
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